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障害者芸術支援と双方代理、利益相反ポリシー

  • 執筆者の写真: Arts&Considerations Tomoki Sakuta
    Arts&Considerations Tomoki Sakuta
  • 3月27日
  • 読了時間: 16分


障害者芸術支援の現場では、作品や表現の価値を社会につなぐことと、創作者本人の権利や尊厳を守ることが、しばしば同時に求められます。展示、公募、企業との連携、商品化、広報、アーカイブ、記録映像の活用など、活動の幅が広がるほど、支援機関が扱う役割も増えていきます。

その一方で、支援センターや中間支援組織が、創作者からも、作品を利用したい企業や団体からも相談を受ける場面は少なくありません。ここで曖昧になりやすいのが、「支援」と「仲介」と「代理」の境目です。誰の利益のために、どこまで関与しているのかが不明確なまま進むと、本人の権利擁護を掲げる組織であっても、結果として利益相反の問題を抱え込むことになります。

この記事では、障害者芸術支援における双方代理の難しさと、支援機関が整備しておくべき利益相反ポリシーの考え方を整理します。なお、このテーマはセンターの個人情報保護・管理の問題とも大きく重なるのですが、それは別の機会に論じたいと思います。


支援センターは何をしているのか

障害者芸術支援センターの業務は、単に相談窓口を開くことにとどまりません。創作活動の支援、展示や発表の機会づくり、権利に関する助言、企業や自治体とのマッチング、研修や広報、アーカイブ整備など、多くの機能が重なっています。

このため、支援センターはしばしば二つの立場のあいだに立つことになります。ひとつは、創作者本人や家族、支援者の側に立って、本人の意思や利益を守ろうとする立場です。もうひとつは、作品を使いたい企業、行政、メディア、教育機関などに対して、利用の方法や条件を案内し、円滑な活用を進めようとする立場です。

この二つは、理念の上では両立し得ます。しかし、個別案件に入ると緊張関係が生まれます。企業はできるだけ使いやすく、早く、安く利用したいと考えることがあります。支援機関は事業成果や連携実績を求められます。創作者本人は、公開の仕方や使われ方に不安を感じているかもしれません。そこに家族や福祉事業所の意向も加わります。こうした状況の中で、支援センターが誰の利益を優先しているのかが曖昧になると、信頼はすぐに揺らぎます。


双方代理とは何か

ここでいう双方代理とは、同じ案件について、創作者側と利用希望者側の双方から相談を受け、実質的に両方の利益に関与することを指します。法律上の厳密な代理に限らず、交渉支援、条件調整、価格設定への関与、利用条件の提案、契約文言の調整なども含めて考えた方が現実的です。

たとえば、ある企業が作品画像を商品や広告に利用したいと考えており、その相談を支援センターに持ち込みます。同時に、その作品の作者もまた支援センターに日頃から相談していて、企業利用について不安や希望を伝えているとします。このとき、支援センターが企業には「この条件なら通りやすい」と助言し、作者には「この案件はよい機会だから前向きに考えた方がよい」と勧めるなら、もはや単なる情報提供ではありません。実質的には双方の交渉に関与していることになります。

もちろん、現場では「事情を一番よく知っている支援センターが間に入った方が話が早い」という期待が強くあります。しかし、その便利さは、支援機関に強い緊張をもたらします。創作者の権利擁護を優先すべき場面で、事業推進や関係維持が前に出てしまう危険があるからです。


民法上、双方代理はどう位置づけられるか

もっとも、ここでいう「双方代理」は、常にその言葉どおり法律上の双方代理にそのまま当たるとは限りません。実務では、法律上の厳密な代理行為ではなく、交渉支援、条件調整、事実上の仲介、情報提供など、より広い意味で「双方のあいだに立つ」場面が多いからです。

そのうえで、日本の民法は、代理人が本人を代理して自らと契約する自己契約や、当事者双方の代理人として行為する双方代理を、本人保護の観点から原則として制限しています。民法108条は「自己契約及び双方代理等」を定めており、法務省の改正資料でも、これを自由に認めると本人に不測の不利益を及ぼすおそれがあると説明されています。もっとも、本人があらかじめ許諾している場合や、本人の利益を害しない場合など、例外が認められる余地もあります。

つまり、双方代理は「その言葉が使われたら直ちに一律違法」というより、本人の利益が害されないか、本人の許諾があるか、どこまで同一人が両当事者の利害に関与しているかが問題となる領域です。さらに法務省資料では、形式的には民法108条の自己契約・双方代理に当たらなくても、実質的には利益相反が生じる事案があることも意識されています。

障害者芸術支援の現場で問題になるのも、まさにこの点です。支援センターが法律上の意味で常に「代理人」になるわけではなくても、創作者側と利用希望者側の双方に深く関与し、条件調整や同意形成に影響を与えるなら、実質的には強い利益相反の緊張関係が生じます。したがって、この分野では、民法上の双方代理の成否だけを問えば足りるのではなく、支援機関としてどこまで関与し、どこから退くべきかを、あらかじめポリシーとして定めておくことが重要になります。


なぜ利益相反が起きやすいのか

法律上の双方代理と、支援現場で問題となる利益相反とは、完全に同じ概念ではありません。しかし、本人保護のために同一人が両当事者の利害にまたがって関与することを警戒するという意味では、問題の根は共通しています。

そして、障害者芸術支援の現場で利益相反が起きやすい理由は、単に人間関係が近いからではありません。構造的な事情があります。

第一に、支援機関が複数の機能を一つの組織で担っていることです。相談支援、権利処理、広報、営業、研修、作品紹介、企業連携が一体になっていると、本人支援のために集めた情報が、別の事業目的に流れやすくなります。

第二に、本人、家族、福祉事業所、支援者、企業、行政など、利害の異なる主体が一つの案件に関わることです。本人の意向が最優先されるべきであっても、現場では家族の希望、施設の運営事情、主催者の広報方針、企業のスケジュールが強く働きます。

第三に、障害者芸術支援の分野では、「よいことをしているのだから大丈夫」という善意の空気が働きやすいことです。善意は大切ですが、それだけでは足りません。本人が断りにくい立場に置かれているとき、形式上の同意があっても、実質的には自由な選択とはいえない場合があります。


利益相反は「不正」だけを意味しない

利益相反というと、不正な金銭授受やえこひいきの問題だけを想像しがちです。しかし、支援センターにとって本当に重要なのは、もっと広い意味での利益相反です。つまり、センターが持つ情報、立場、関係性、判断権限が、本人の利益ではなく、センター自身や第三者の利益に傾いてしまうことです。

たとえば、企業連携の実績をつくりたいという組織的な事情があると、センターは無意識のうちに、作品の利用に慎重な作者を説得する方向に動いてしまうかもしれません。逆に、作家側との信頼関係を重視するあまり、利用希望者に必要以上に厳しい条件を提示して、適切な活用機会を閉ざしてしまうこともあり得ます。

大切なのは、「中立である」と言うことではなく、どの場面で誰の利益を代表しているのかを明確にし、その範囲を超えないことです。


どのようなポリシーが考えられるか

支援センターの双方代理・利益相反ポリシーとして考えられる基本形は、三つあります。


1 原則分離型

もっとも安全なのは、同一案件について創作者側と利用希望者側の双方の利益代表をしない、という原則を置く方法です。創作者側の個別相談に実質的に関与した案件では、同じ案件で企業側の交渉支援をしない。企業側から先に具体相談を受けた案件では、創作者本人の代理的立場には立たない。このように、個別案件では片側に限定する考え方です。

この方式の利点はわかりやすさにあります。誰のために動いているのかが明確で、後から説明しやすい。ただし、現場では「両方の事情がわかる人に調整してほしい」という要望が強く、機動性に欠けるという面があります。


2 役割限定型

双方から相談は受けるが、どちらか一方の利益代表にはならず、制度説明や論点整理、ひな形提供などの中立的支援に限る、という考え方です。価格交渉の代行や、有利な条件交渉の助言はしない。その代わり、何を確認すべきか、契約でどこが問題になるか、本人同意をどう分けるべきかといった整理を行います。

この方式は現場の需要に応えやすい一方で、実際には中立と代理の境目が曖昧になりやすいという難しさがあります。少し踏み込んだ助言をすると、すぐにどちらかの側に立っているように見えます。


3 機能分離型

支援センターの中で、創作者支援機能と企業対応機能を制度的に分ける方法です。担当者を分け、情報共有を制限し、同じ案件では別ラインで処理する。いわば小規模なチャイニーズウォールです。

一定の規模や体制がある組織なら有効ですが、少人数で運営される支援センターでは形骸化しやすく、導入には限界があります。


障害者芸術支援において望ましい基本線

障害者芸術支援の文脈では、やはり「創作者本人の権利擁護」を土台に置くべきです。その意味で、基本線としては次のような整理が適切だと思います。

同一案件において、支援センターは創作者と利用希望者の双方の利益代表はしない。双方から相談を受ける場合でも、センターの役割は一般的な制度説明、論点整理、手続案内、必要に応じた外部専門家の紹介に限る。価格交渉、契約条件の駆け引き、相手方の内情を踏まえた戦略助言は行わない。一方から得た非公開情報を、本人の明示的同意なく他方に用いない。利益相反またはそのおそれがあると判断した場合には、担当変更、関与制限、外部紹介などの措置をとる。

この程度の原則は、少なくとも明文化しておくべきでしょう。


実務で特に注意が必要な場面

ポリシーは抽象論だけでは機能しません。実際に事故が起きやすい場面を想定しておくことが大切です。

たとえば、公募展の受賞者に対して企業案件を紹介する場面です。選考をした組織が、その後の利用案件でも条件調整に入ると、公募の公正さと営業上の誘導が混ざりやすくなります。

また、作家プロフィールや写真、障害に関する情報を、相談支援の過程で得ていたにもかかわらず、その後の広報や営業提案資料に使う場面も危険です。本人は支援のために情報を出したのであって、営業利用のために出したわけではないかもしれません。

さらに、企業からの相談を受ける担当者が、同時に作家側にも「この案件はよい機会です」と勧める場面も要注意です。これは中立的な説明を超えて、実質的に同意形成へ働きかけている可能性があります。


ポリシー整備で最低限必要なもの

利益相反を防ぐためには、理念だけでなく、運用の仕組みが必要です。規模によっては難しいところもありますが、最低限、次のようなものは整備しておきたいところです。

役職員や委員の利益相反申告ルール。どのような関係があれば申告対象になるのかを明確にすること。

同一案件での関与範囲ルール。誰がどの立場で関与するのか、どこから先は外部専門家に回すのかを決めておくこと。

情報管理ルール。一方当事者から得た情報を、どの範囲で共有し、どの範囲では共有しないかを整理すること。

記録化。誰が相談を受け、どのような説明をし、どの時点で回避措置をとったかが残るようにすること。

苦情・相談窓口。本人や家族が、支援センターの対応に不安や不満を感じたときに、別ルートで相談できる仕組みを置くこと。


以下、参考までに、判断フローチャートと、対応するポリシー案を掲載します。


障害者芸術支援センターにおける双方相談対応ポリシー(案)

第1条(目的)

本ポリシーは、障害者芸術支援センター(以下「センター」という。)が、創作者、利用希望者その他関係者から相談を受けるにあたり、創作者本人の権利擁護及び尊厳の保持を基礎としつつ、公正かつ適切に対応するため、双方相談への対応方針、利益相反の防止、情報管理その他必要な事項を定めることを目的とする。

第2条(基本原則)

1 センターは、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律をはじめ、障害者基本法、文化芸術基本法その他の関係法令等に則り、これらを尊重しつつ、権利擁護の観点から、障害者芸術支援において創作者本人の意思、権利及び利益の尊重を基本原則とする。 2 センターは、作品等の利用促進、発表機会の拡大、社会的理解の促進を図る場合であっても、創作者本人の権利擁護及び尊厳の保持を不当に害してはならない。 3 センターは、相談対応にあたり、その立場、役割及び関与範囲を明確にし、特定の当事者の利益のために不透明な形で関与しない。

第3条(定義)

本ポリシーにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。1 創作者 作品、実演、表現活動その他障害者芸術支援の対象となる創作又は表現を行う本人をいう。 2 利用希望者 創作者の作品、実演、記録、写真、プロフィールその他を展示、掲載、配信、商品化、広報利用その他の方法により利用しようとする個人、法人又は団体をいう。 3 双方相談 同一案件又は密接に関連する案件について、創作者側及び利用希望者側の双方からセンターが相談を受けることをいう。 4 利益代表 特定当事者の立場に立ち、その利益の実現を目的として、条件調整、交渉支援、戦略的助言、契約内容の提案その他これに類する関与を行うことをいう。 5 中立的支援 制度説明、手続案内、一般的な論点整理、公開資料の提供、外部専門家の紹介その他、特定当事者の利益代表に当たらない支援をいう。 6 非公開情報 相談の過程で取得した情報のうち、公表されていない事実、意向、交渉条件、障害情報、家族事情、事業計画その他一方当事者が他方当事者への開示を予定していない情報をいう。

第4条(双方利益代表の禁止)

1 センターは、同一案件において、創作者側と利用希望者側の双方の利益代表を行わない。 2 センターは、創作者側の個別相談に実質的に関与した案件について、同一案件において利用希望者側の利益代表を行わない。 3 センターは、利用希望者側の個別相談に実質的に関与した案件について、同一案件において創作者側の利益代表を行わない。 4 前各項にいう「同一案件」には、実質的に同一又は密接不可分と認められる関連案件を含む。

第5条(双方相談を受けた場合の対応)

1 センターは、双方相談に該当し、又は該当するおそれがあると認めた場合には、速やかに当該案件についての関与状況を確認し、利益相反の有無又はおそれを検討する。 2 前項の場合において、センターは、必要に応じて次の措置を講ずる。 (1) 一方当事者に対する個別支援の停止又は限定 (2) 担当者の変更 (3) 当該案件への関与範囲の明示 (4) 外部専門家又は他機関の紹介 (5) その他利益相反を回避するために必要な措置 3 センターは、双方相談を受けた場合であっても、中立的支援の範囲を超えて特定当事者の利益代表をしてはならない。

第6条(センターが行うことのできる支援)

センターは、双方相談に関し、次に掲げる支援を行うことができる。 1 制度、手続及び一般的な法的・実務的論点に関する説明 2 公表可能な資料、ひな形、チェックリスト等の提供 3 確認すべき事項、検討すべき論点の整理 4 本人同意、情報公開、利用範囲等に関する一般的な説明 5 外部専門家、相談機関又は関係団体の紹介 6 前各号に準ずる中立的支援

第7条(センターが行ってはならない支援)

センターは、双方相談に関し、次に掲げる行為を行ってはならない。 1 一方当事者の利益のために他方当事者との条件交渉を代行すること 2 一方当事者の立場に立って、他方当事者に対する価格、条件、譲歩内容その他の交渉戦略を具体的に助言すること 3 一方当事者から取得した非公開情報を、本人の明示的同意なく、他方当事者への説明、交渉又は説得の材料として用いること 4 創作者本人が自由な意思で拒否しにくい状況を利用して、利用、公開、契約締結その他への同意を促すこと 5 センター自身の事業上又は組織上の利益のために、特定案件を誘導し、又は一方当事者に不利益な形で関与すること 6 前各号に準ずる利益相反又は権利擁護上不適切な行為

第8条(情報管理)

1 センターは、相談対応において取得した情報を、取得目的の範囲内でのみ利用する。 2 センターは、一方当事者から取得した非公開情報を、当該当事者の明示的同意なく他方当事者に開示し、又は交渉資料として用いてはならない。 3 センターは、障害情報、家族事情、要配慮個人情報その他特に慎重な取扱いを要する情報について、法令及び内部ルールに従い、必要な安全管理措置を講ずる。 4 センターは、相談対応と営業、広報、調査研究その他の機能が併存する場合には、情報共有の範囲及び条件を明確にするものとする。

第9条(創作者本人の意思確認)

1 センターは、創作者に関する案件については、本人の意思及び意向の確認を重視し、必要に応じて意思決定支援の観点を踏まえて対応する。 2 センターは、家族、支援者、事業所その他の関係者が関与する場合であっても、創作者本人の意思確認を不当に省略しない。 3 センターは、創作者本人が利用、公開、契約締結その他について自由に拒否し、又は条件を付することができる環境を確保するよう努める。 4 センターは、本人の意思確認が困難な場合には、その事情を整理したうえで、必要に応じて適切な第三者又は専門家の関与を検討する。

第10条(自主事業等との関係)

1 センターが、自主事業、企業連携、商品化、ライセンス事業、展覧会受託その他の事業を行う場合には、相談支援機能との利益相反に留意しなければならない。 2 センターは、前項の事業に関する案件について、相談支援で得た情報又は関係性を不当に利用してはならない。 3 センターは、自主事業等に関連して双方相談が生じた場合には、通常の場合より慎重に利益相反の有無を検討し、必要に応じて外部専門家の関与その他の措置を講ずる。

第11条(記録)

1 センターは、双方相談に該当し、又は該当するおそれがある案件について、次に掲げる事項を記録するよう努める。 (1) 相談の日時及び相手方 (2) 相談の概要 (3) センターの関与状況 (4) 利益相反の有無又はおそれに関する判断 (5) 講じた回避措置又は対応方針 (6) その他必要な事項2 前項の記録は、必要に応じて内部検証、苦情対応又はポリシー見直しに用いる。

第12条(相談担当者の責務)

1 相談担当者は、双方相談又は利益相反のおそれがあると認めたときは、独断で判断せず、速やかに管理責任者その他定められた手続に従って報告しなければならない。 2 相談担当者は、自らが特定案件について個人的利害関係を有する場合には、その旨を申告し、必要な回避措置を受けなければならない。 3 相談担当者は、本ポリシーの趣旨を踏まえ、創作者本人の権利擁護及び尊厳保持に反しないよう慎重に対応しなければならない。

第13条(外部専門家等との連携)

センターは、自らが適切に対応できないと認める案件、又は利益相反回避の観点から自ら関与を限定すべき案件について、弁護士、行政書士、社会福祉士、権利関係の専門家その他適切な外部専門家又は関係機関への紹介を行うことができる。

第14条(苦情及び見直し)

1 センターは、双方相談対応又は利益相反対応に関する苦情、意見又は懸念を受け付ける仕組みを整えるよう努める。 2 センターは、前項の苦情等及び個別案件の運用状況を踏まえ、必要に応じて本ポリシーの内容及び運用を見直すものとする。

第15条(補則)

本ポリシーに定めるもののほか、双方相談対応及び利益相反防止に関し必要な事項は、別に定める。


おわりに

障害者芸術支援において、作品の活用機会を広げることは大切です。企業や社会との接点を増やし、二次利用や発表の場をひらいていくこと自体は、支援の重要な役割です。ただし、そのことと、本人の権利や尊厳を守ることは、自動的には両立しません。だからこそ、支援機関は自らの立場を点検し、どこまでできて、どこからはできないのかを明確にする必要があります。

双方代理や利益相反の問題は、支援を萎縮させるためにあるのではありません。むしろ、支援の信頼性を支えるための基盤です。本人のために動くという原点を守りながら、適切な利用促進を進めていくためには、善意だけではなく、ポリシーと運用の整備が欠かせません。

© Arts&Considerations行政書士事務所 

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