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フェアカルチャー憲章×フリーランス新法:文化芸術ビジネスの新たな常識とサステナビリティ
当事務所のブログでは、以前よりアーティストやクリエーターへの適正な対価の支払い(Fair Fee)の重要性について発信してきました(参考: 過去記事 )。今回はその議論のアップデートとして、近年世界的に注目されている新たな国際的な動き、「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter)をご紹介します。 フェアカルチャー憲章とは? 「フェアカルチャー憲章」は、ドイツユネスコ国内委員会による調整のもと、世界中のパートナーとの参加型プロセスを経て2024年に採択された国際的な宣言です。 この憲章は、アーティストや文化の担い手が、その芸術を自由に表現し、持続可能な生計を立てられるようにすることを目標としています。具体的には、「適正な労働条件と公平・公正な報酬」、「差別の根絶」、「デジタル格差の是正」など、8つの原則を掲げています。 「フェアトレード」の成功に学ぶ この動きを理解する上でわかりやすい例が、すでに私たちの社会に浸透している「フェアトレード」です。 コーヒーやカカオなどの農業分野では、かつて生産者が不当に低い対価で取引されること

Arts&Considerations Tomoki Sakuta
2月9日読了時間: 5分


米国のクリエイティブ経済政策の現在地:包括的支援の理想から、第2次トランプ政権下の「生存」と「抵抗」の局面へ
かつて2022年頃、米国議会では新型コロナウイルス感染症の影響による文化政策の構造変化が議論される中で( 弊所代表の作田も、文化庁の調査事業として米国の動向を報告しました )、CREATE ActやPLACE Actといった、クリエイティブ経済を国家の重要な産業として包括的に支援しようとする超党派の動きが活発でした。これらはコロナ禍を経て、それまでの芸術活動の経済活動への過小評価を覆し、雇用のエンジンとして再定義しようとする、経済政策的な試みでした。 しかし、現在の米国における状況は、当時の関係者が抱いた期待とは大きく異なる、極めて峻烈な局面を迎えています。 1. 「クリエイティブ・ワークフォース投資法(CWIA)」の停滞 2024年に連邦議会に提出された「クリエイティブ・ワークフォース投資法(CWIA / H.R.6935)」は、芸術分野を農業や製造業と同等の経済セクターと位置づけ、3億ドル規模の雇用創出プログラムを目指したもので、 CREATE ActやPLACE Actの後継といえるもので した。 しかし、この法案は第118議会で提出された

Arts&Considerations Tomoki Sakuta
1月30日読了時間: 4分


「文化」はサステナビリティの第4の柱になれるか — 理論から評価手法へ
近年、美術館や舞台芸術、地域の祭礼といった文化活動の分野でも、サステナビリティ(持続可能性)という言葉を耳にする機会が増えました。ただ、その議論の多くはどうしても、CO₂排出や資源消費といった環境負荷の問題、あるいは収益性や地域経済への波及といった経済的側面に集中しがちです。文化活動の価値がそこだけにあるわけではない、ということは多くの人が共有していると思いますが、それをどう説明し、どう評価するのかとなると議論は簡単ではありません。 そんな中で、2024年に発表された論文 “Methodological Framework for Integrating Cultural Impact in Sustainability Assessments of Cultural Events” は、文化政策の議論にとって興味深い試みを提示しています。この論文は、「文化をサステナビリティの柱として扱う」という考え方を、具体的な評価手法と結びつけて整理しようとしたものです。 この議論の背景には、文化政策分野では比較的よく知られている「サステナビリティの第4の柱

Arts&Considerations Tomoki Sakuta
2025年6月1日読了時間: 4分


報告書「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う諸外国の文化政策の構造変化に関する研究」公開のお知らせ
このたび弊所代表の作田知樹が執筆を担当した報告書が公開されましたのでお知らせします。「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う諸外国の文化政策の構造変化に関する研究」
※「令和 3 年度文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業」の一つです。作田はアメリカの調査・報告を担当しています。

Arts&Considerations Tomoki Sakuta
2022年3月25日読了時間: 3分


NEA文化芸術生産サテライト勘定ACPSAの最新版が発表されました。
アメリカNEA全米芸術基金が、BEA商務省経済分析局と10年前から組んで、その2年後から毎年に発表しているACPSA文化芸術生産サテライト勘定(統計)の最新版(2020年度分)が発表されてます。(リンクはニュースリリースなので単なる勘定の公表よりインパクトのある、「COVIDの影響が統計上も明らかに!」という感じになっておりますが、毎年のリリースではあります) 文化芸術分野は国全体のGDPの4.2%を占めているが、国全体の-3.4%のマイナス成長に対して-6.4%と下げ幅が大きかったこと、あとは特に影響が統計上著しかった分野など興味深いです。 https://www.arts.gov/about/news/2022/new-data-show-economic-impact-covid-19-arts-culture-sector この統計の数字は、分野の雇用者の数とともに、全米の州や自治体のアーツエージェンシー(まあ「アーツカウンシル」的なものとお考えください)が、なぜ文化芸術やその従事者を公的資金で支援する必要があるのか、その説得に使われる基

Arts&Considerations Tomoki Sakuta
2022年3月17日読了時間: 2分
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