アメリカNEA全米芸術基金が、BEA商務省経済分析局と10年前から組んで、その2年後から毎年に発表しているACPSA文化芸術生産サテライト勘定(統計)の最新版(2020年度分)が発表されてます。(リンクはニュースリリースなので単なる勘定の公表よりインパクトのある、「COVIDの影響が統計上も明らかに!」という感じになっておりますが、毎年のリリースではあります)
文化芸術分野は国全体のGDPの4.2%を占めているが、国全体の-3.4%のマイナス成長に対して-6.4%と下げ幅が大きかったこと、あとは特に影響が統計上著しかった分野など興味深いです。
https://www.arts.gov/about/news/2022/new-data-show-economic-impact-covid-19-arts-culture-sector
この統計の数字は、分野の雇用者の数とともに、全米の州や自治体のアーツエージェンシー(まあ「アーツカウンシル」的なものとお考えください)が、なぜ文化芸術やその従事者を公的資金で支援する必要があるのか、その説得に使われる基礎的な数字になっています(その良し悪しについての議論は当然ありますが)。
ちなみに昨年の今頃のトレンドは、こうした数字に加えて「過去の災後復興の事例を分析したら、地域経済の災後復興を地域の文化芸術セクターの復興と相関がある→だから文化芸術セクターに優先的に(公的資金から)復興投資をすれば地域経済復興が加速する可能性がある!」というものでした。これはNASAAという、州レベルのアーツエージェンシーの専門家の連合組織が、全米をいくつかのエリアに分けて複数の州を統括して支援する広域の芸術組織の一つに依頼して、広域芸術組織が地元の大学と共同研究して得られた知見でした。このあたり、もう少ししたら文化庁サイト(もしくは研究会サイト)に載せる報告書にまとめていますので、公表できるようになったらご案内します。
なお、NEA +BEAの文化芸術生産サテライト勘定ですが、10年前のACPSAの立ち上げと意義についてはこちらのプレゼン資料が、わかりやすいです→https://nasaa-arts.org/wp-content/uploads/2017/04/NEA_BEA_ACPSA_slides.pdf
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